【兄】の戯言

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まー、妙な事が気掛かりではあったものの【奴】との日常は続けた。 それから、最初に1つフォルダが消えた事に気付いた日。 あのゲームの容量が大きい理由が解った。 【奴】と会話が出来るらしい。 ・・・試してみた。 あくまでも、冷やかすネタの為に。 試してみた。 「おかえり、兄貴」 妙に流暢に喋り始めて驚いた。 正直、読み上げソフトのようなロボ声で問い掛けられるものだとばかり思っていた。 「どうかした?」 「ぁ・・・た、ただいま」 流暢過ぎて、コッチが逆に戸惑うっての。 だけど、この声・・・どっかで聞いた事ある声だなぁ。 オタな女子が好きそうなイケボってトコか。 「良い声してんな、お前」 軽く皮肉ってみた。 「そうかなぁー、自分じゃ解らないけど、兄貴が言うなら、そうなんだろうな」 皮肉が通じなかった、何爽やか返事してんだ?
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