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「おっはよぉぉぉぉぉおおお!!寝坊兄弟!朝でっすよー!!!」
やはり、今朝も現れたな。
ノックも無く、不躾に勝手知ったる的に【俺】たちの部屋に侵入・・・もとい、突入してきたコイツは幼馴染みの相川愛実(あいかわまなみ)だ。
懲りもせず毎朝やってくる。
「はいはい、おはよーさん」
寝起きのまま、部屋の真ん中で突っ立っていた【俺】に抱き付いてきた愛実。
抱き付きもとい突進と言っても過言ではない。
腹から目線を上げると、いかにもショックでしたという顔をしやがった。
「ぁ、お兄ちゃんと間違えたぁぁぁ・・・むぅ」
机に向かっていた兄貴ではなく【俺】に突進しといて勝手に、むくれている。
可愛いは正義とは、よく言ったもんで、こんな奴でも何故か許せる【俺】自身が情けない。
「あぁん、お兄ちゃん朝から勉強~?すごーいっ!!」
【俺】掴んでいた手を勢い付けて突き放すと、愛実は兄貴の背中に突進していった。
7帖程度の部屋で、中央から突進すれば当然・・・
「ぐへぁ・・・!!」
兄貴は机と愛実に潰され、妙な呻き声を上げている。
ご愁傷。
今朝は未だ緩い方だが愛実に悪意が無い分、兄貴も何も言わない・・・否、言えないんだろうな。
まぁ、【俺】たちの1日は、こんな感じで始まる。
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