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「………っ!!」
兄の身体が、ビクリと、跳ねた。いくらなんでも大袈裟だと、半ば呆れる。
「ねえ、手錠…外してほしい?」
ベッドの手すりと兄の手首とを繋ぐ鎖を、無造作に揺さぶる。無機質な手錠と、彼の皮膚との境目を、指で なぞった。
「え…………」
戸惑いの声。さっきまで、あんなに暴れていたクセに。
「辛いんでしょ?したくて堪らないんでしょ?じゃあ……、自分で、すればいいじゃない」
手錠に、手を掛ける。
「や、やめ……っ!!………触るな!!!」
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