四の一

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そして私は、思いを告げた。 貴女は、優しく微笑んで言ってくれた。 「やっと言ってくれた。もう、私は貴方をとっくに受け入れてたのに。ふふ。そうでなかったら、何度も一緒に食事なんて行かないわ。私は気のある素振りを見せて、ご馳走させるような、馬鹿な女じゃないわ」 その後、私達は雨の中、一枚のマントの下で笑い合い、黙って見つめ合い、私は強く貴女をこの腕で抱きしめました。 あの日から一年が過ぎ、二人にとっての二度目の夏を迎えようとしています。 あの日から貴女を愛し、あの日から言葉で、そして身体で、何度も愛を確かめ合いました。 けれど私は、時々、その愛に対して疑問を抱いてました。
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