2/4
前へ
/25ページ
次へ
私は今、空を、夜空を眺めています。 夜空に浮かんでいるのは、キラキラ小さく輝く星達と、青白く優しく、儚げで、それでいて強く、眠る子を微笑みながら見守る母のように輝いている月だけ。 私は、その雲一つない夜空を、優しく儚く強い光で照らされている夜空を眺めています。 貴女を思い浮かべて。 優しく儚げで強い光で、私の闇を照らしてくれた、貴女の事を思い浮かべて。 私の闇は、心の闇は、夜空にも負けず広がっていた。私はある時から、心の闇から目を逸らす事を、忘れるふりを覚えた。はしゃぐ事で、世の中や誰かのせいにしては目を逸らし、忘れたふりを続けた。闇の先に光がある事を分かっていながらも愚かな私は。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加