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私を含め、人は本当に身勝手なものですね。 ただ見聞きした事で、知ったように錯覚し、思い込み、まるで自分も、初めからそう思っていたかのように判断し、自分の意思であるように、誰かに語り、そのうちに、全てが、本当の自分の気持ちと同じではなくとも、その事を言い出せなくなってしまうものなのですね。 人との関係を保つ手段として、胸の内に無理やり閉じ込めて、その事を忘れた振りをするものなのですね。 そして、私と貴方を含めたすべての人は、そんな事の繰り返しで、心が歪んでいた事に、ある日に、例えば今日の様な、涙が流れ落ちるように静かに雨の降る、少し寂しげで儚げな夜に、ふと、気付かされるものなのでしょうね。
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