第一夜

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4月。 まだ少し肌寒い日の、静かな夜だった。 母の命日に墓参りをした帰り道、父に言ってみた。 「翠と一緒に住みたい。」 父は少し驚いたようだったが、香夜の頭をぽんぽん、と優しく叩いて、笑った。 「そうか、それは良い。彼に一人暮らしをさせるのは不安だしな。 翠のこと、頼むぞ?」 父の許可を貰い、連休を利用して引っ越す事にした。 翠には先に言ってあった。 父が許せば、二人暮らしをすること。
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