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「紫音先輩をオカズにしました」
「…………」
紫音の顔がみるみる紅くなり、視線が合った途端に視線を逸らされた。
そんな反応は、ある意味想定内だ。
「正直に言うと……今回に限った事じゃありません」
一歩、紫音に近付く。
「そう言う意味で…………初めて見た時から、ずっと好きでした」
「そっ……」
紫音は僅かに口を開けたけど、戸惑う様に言い掛けた言葉を飲み込んで……口唇を引き結んだ。
それを見て、俺は更に一歩前進する。
その距離に焦った様に、紫音の口唇がわなわなと動いたと思ったら、いきなり大声で叫んだ。
「そんな嘘、信じないんだから!」
「そんなのって?」
紫音は、カウンターのテーブル部分に上半身を仰け反る様に預けて、俺との距離を取ろうとしている。
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