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「そんなの……嘘だ」
紫音の表情はみるみる曇り、震える声を吐き出す様に呟いた。
紫音は視線を合わせようとしない。
さっきまでの恥ずかしさから……じゃない。
それは、諦めた様な……寂しさを含んだ様な、まるで悲しんでいる様な…………
これって、俺の告白が……信じられない……って事?
「俺の言葉に嘘はありません!」
カウンターのテーブルに寄り掛かる紫音の両側に手をついて、その腕の中に紫音を囲い込んでいた。
つい……勢い……だった。
でも、こうなったら、今更引っ込みもつかない。
「初めて見た時からずっと……一目惚れでした」
あの日からずっと、俺の心は……この人に囚われているんだ。
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