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「フォーチュンで初めて会った時……俺、緊張で声裏返るし……」
あの時の自分のてんぱり具合を思い出して、クスッと笑っていた。
「…………」
俺の自虐ネタに、紫音の身体の力が抜ける。
でも……この体勢……どうする?
こんな…………離したくない。
紫音の腕は細く儚げで、至近距離で見る瞳は、真っ黒なビー玉みたいだ。
素肌は、ニキビなんて無縁なんじゃないかと思える滑らかさで、思わずその頬に触れていた。
紫音がビクッと反応した事で、自分のしでかした事を悟ったが……思わず……思わずなんだ!
考える前に動いてしまったんだ。
俯いてしまった紫音に、拒絶を感じる。
「こんな俺が側にいるのは……嫌ですか?」
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