764人が本棚に入れています
本棚に追加
「瀬戸紫音です」
「あの……名前、どんな字を書くんですか?」
「瀬戸内海の瀬戸に、紫の音……」
「うわぁー、なんかカッコいい響きですね」
「そう? ありがとう」
人懐っこい犬みたいな子だな……
「あの……何て呼んだら良いですか?」
「何でもいいよ」
僕は、周りの人に……環境に、あまり関心がない。
「瀬戸さん……」
彼は、僕の呼び方を一人で口にしながら、妙に照れていた。
「なんか、こそばゆくって……あの、紫音先輩――でいいですか?」
最初のコメントを投稿しよう!