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今までエスカレート式でクラス替えが無かったこの学校だが、校長先生が変わったことにより、いくつかルールが変わったらしい。
そのおかげでクラス替えが行われたけど、主要メンバーは運がいいのか悪いのか、変わることはなかった。
「いやー、ついに3年ですねぇ。受験生……だよ」
「青田、いきなり現実に引き込むなよ。まだ休みボケが抜けてねぇし」
「そうそう!2年も3年も変わらねぇって!楽しくやればいいんだけだろっ」
「空雅は危機感を持ちなさい。お前が留年しなかったのは誰のおかげだと思ってんの?」
「………はい、悠様です」
「よろしい」
どっと沸き上がる笑い声に消えかかっている言葉も、耳がよすぎる私にはきちんと聞こえている。
『よっしゃ!神崎悠と同じクラスだー!』
『ちょっとは近づけっかな?』
『ノリいいし、可愛いし、頼れるし。最高!』
『ねぇねぇ!悠ちゃん、すっごい笑ってる……美しすぎる』
『本当に可愛いよねぇ。月次くんや大高くんと並ぶとすごく絵になってる』
『でも何で青田さん?』
『神崎さんと仲いいんだよ。手出したら嫌われると思った方がいいよ』
『えー!青田さん、羨ましいなぁ』
全く、私たちは見せ物かいってくらいにたくさんの視線が注がれていた。
「HR始めるぞー!席につけー」
と。
聞きなれたはずの担任の声ではない、低い男の人の声。
ピタッと話し声が止まり、ガタガタと床とイスのこする音が響く。
教壇に立った1人の人物に生徒たちの視線は注目した。
「今年からこの学校に転任してきた風舞昭晃(カザマイアキラ)だ。1年間、3年A組の担任を受け持つ。よろしくな」
ふっと笑みを零した担任に、女子たちの目は釘づけ。
それもそのはず、モデルのようなスタイルに整った顔立ち、さっぱりしたベリーショットにアッシュブラックの髪色、トップにはちょっと癖がある。
程よく顎にある髭が、ワイルドさを醸し出していた。
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