第3恋

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煌たちもそれぞれプレゼントを買い終わって、これから家へと帰る。 玲央のバイクに空雅、煌の車には築茂と日向と私が乗り込んで。 後部座席が好きな私の隣に座るのは、日向。 「悠、荷物後ろに置いたら?」 「ううん。プレゼントは大切だから自分で持っていたいんだ。ありがと」 「そっか。潰さないように気を付けないとね」 ふわっと柔らかく微笑んだ日向に、私も笑顔を返す。 車が発進してからしばらくして、プレゼントを持っていない左手が、ぎゅっと日向の手に包まれた。 私は何も言わずに、その手を握り返す。 煌と築茂からは見えない位置にある私たちの手から伝わる、日向の体温が気持ちよくて。 身体の内側の汚れが洗い落されていくような感触の車内の音楽も、気持ちよくて。 うとうとと、頭が重たくなってきた。 「……悠、眠かったら俺の肩に頭を乗せて寝ていいからね」 「ん……ありが、と…」 日向の鳥が歌うような、まるみのある声音が私を睡魔に引きずり込む。 ゆっくりと瞼を閉じれば、さらっと髪の毛に温かい感触がしてそれもまた気持ちいい。 「……日向、……なよ」 「はは……どう…」 誰かの声が、途切れ途切れに僅かながら聞こえてくる。 その声さえも、今の私には気持ちいい理由にでしかなかった。 頬にも安心する温もりがあって、何かに優しく包まれているようだ。 こういうのを“愛されている”って言うのかな。 私は本当に愛されていると常に思うけど、私はその与えられている愛と同じくらい、愛せているのかな。 きちんと、愛しているってこと、伝わっているのかな。 「愛…して、る……」 心の中で言ったつもりが、無意識に声に出ていたときには私はもう。 夢の中。 .
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