第3恋

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「…う、悠、悠!」 「んん~」 「着いたよ」 まだ眠気が残る中、ゆっくりと瞼を持ち上げるといつもの日向の甘いフェイス。 どうやら、家に着くまでぐっすりだったらしい。 「日向、おはよう」 「ふふ、おはよ。さ、降りて」 「うん」 煌と築茂はすでに買った荷物を車から降ろしているところだった。 私も自分の荷物を持って車を降りて、すでに大和のバイクを見つけて裏口へと向かう。 「ただいま~」 「おかえり。まだムウは帰って来てないぜ」 「よかったぁ。いっぱい買ってきちゃった!」 「何買ったんだよ?」 「メインはネクタイ!毎日使うし、すごく柚夢に似合いそうなのがあったんだ」 「よかったな。あー俺は何にすっかなぁ」 「いつも通り、ちょっと捻くれたのがいいんじゃない?」 「おい、それどういう意味だ」 「へへへっ」 リビングのソファで1人、アルトサックスの手入れをしていた大和。 私は手を洗って冷蔵庫の中身を確認しながら、笑った。 「どこに置く?ムウに見つからないところがいいよね?」 「うん。私の部屋なら誰も入らないからそこに置いとくよ」 「分かった。先にこれ、悠の部屋に持って行ってもらってもいい?」 「了解~」 煌からプレゼントをそれぞれ受け取って、私は自分の部屋へと向かった。 私の部屋には、私の洋服やベッドに机とイスくらいで、一番殺風景。 大和たちがこの家に住み始めるときに、絶対に私の部屋には男は入らないっていうルールを勝手に決めたらしい。 別に私はいいんだけど、と言ったら俺たちがダメなんだよ、と返されたから仕方がない。 まぁ、どっちにしろ私も自分の部屋にはあまりいないんだけど。 「日向、何作る?」 「スパゲッティとサラダ、スープを作ろう」 「はーい。何からやればいい?」 「サラダは一番最後でいいから、スパゲッティを茹でてもらってもいい?」 「うん」 リビングに戻って、早速夕食を作ろうとしている日向の隣に立つ。 こうやっていつも日向に何をしたらいいか聞いて、作るのが当たり前のことなんだけど、どうしたんだろう。 ……日向の様子が、変。 .
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