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手には、一口サイズのヘラ。
ジュージューといい音と匂いに包まれるテーブルを囲むのは、今か今かと待ちわびている兵士たち。
「よし、今だ!!」
春日井隊長の言葉で、一斉にもんじゃ焼きへと構えていたヘラが向かった。
「……ぅんめぇ!」
「だろー?俺が作ったんだから、当たり前!」
「煌は焼き物だけは上手いからな。他は壊滅的だが」
「築茂、煌が作った料理、他に何か食べたことあるの?」
「ゆ、悠!そういうの、聞かなくていいから!!」
「あ、焦ってる~。築茂、教えて!今すぐに!」
日向が材料を用意して、煌が作ってくれたもんじゃ焼きは本当においしかった。
豚キムチのピリッとした触感が癖になりそう。
「料理が壊滅的と言えば大和もだよね」
「……日向、黙っとけ」
「あぁ大和は見るからに出来なさそう。1人暮らししてるとき、絶対インスタントだったでしょ?」
「そういうムウはどうなんだよ」
「僕はやろうと思えば何でもできるよ」
「はは、じゃぁ空雅よりもバカなハイテンションで煌より壊滅的な料理、作ってみろよ」
「大和、喧嘩売ってるでしょ」
「喧嘩すっか?」
まーたかよ、こいつらは。
「大和ー!俺のバカなテンションってどんなんだ!?」
「それだよそれ。まさにそれ」
「はっ!?俺、全然普通なんだけど!」
「お前の普通は普通じゃない。いい加減、自覚しろ」
「築茂のテンションは低すぎんだよ!この冷徹男!」
「そうか、ならばそのうるさい口を一生動かせなくしてやる」
「………すいまそん」
あー、楽しい。
「悠、ニヤニヤ、してる」
「玲央くん、そういうこと言わなくていいからね。ニヤニヤしてるのはもう癖だからね。楽しいこと大好きだからね」
「ん、分かってる」
「あ、そういえば玲央の妹が来るってこと、みんなに言ったっけ?」
……あは、この様子だと言い忘れていたみたい。
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