第3恋

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玲央のあまり見られない苦笑も炸裂。 「玲央の妹、ってロシアにいるんじゃなかったの?」 「そう、そのロシアから来るんだって」 柚夢が、不思議そうに首を傾げる。 玲央の出身や目のこと、それぞれの家庭の事情なども柚夢はすでに知っている。 誰からというわけでもなく、そんな話の流れになった時、隠す人は誰1人いなかった。 「マジかよ?まさか、ここに来るとか?」 「当たり前でしょ、まだ11歳なんだから。5月4日から7日の4日間いるって」 「そうなんだ。よかったね、玲央」 「……ん」 あまり子供が得意じゃない大和は引きつり顔で、日向の笑顔に玲央は曖昧に微笑んだ。 「楽しみだなぁ、玲央の妹と会うの!でも、まさか1人で飛行機に乗って来るわけじゃないでしょ?」 「ハンディさんがついてくるって」 「ハンディって誰?」 大和とは正反対に、胸を躍らせている煌。 柚夢はハンディを知らないし、煌と大和以外もハンディに直接会ったことはない。 「うわー、あの野郎が来るのかよ」 「大和くーん、あの野郎じゃないでしょー」 「だってあいつ、のこのこと1人暮らしだった悠の家に入り込んだんだぞ。しかも夜に!マジで、あの時は焦ったし」 「ちょっと大和、僕はその話、聞いたことないんだけど」 目を光らせた柚夢を見た私は、静かに大和を睨んだ。 全く、これ以上余計なことを言うなって。 とりあえず軽くその時のことを話して、全然悪い人じゃないってことは伝えた。 「でも何か玲央、あんまり嬉しくなさそうだね」 「………」 やっぱり煌がいち早く玲央の様子に気づいて、ちょっと曇りがちの玲央の顔を覗き込む。 「妹ちゃんに会うの、嫌だとか?」 「違う」 「じゃぁ、どうして?」 「……」 優しく問いかける煌に、玲央は黙秘権を発動。 「煌、そのうち分かるって前言ってたから。今は別に分からなくても大丈夫でしょ」 「そっか。玲央ごめんな」 「ん」 「はいはーい!そんな空気はこの空雅様にお任せあれ!今からクイズを出しまーす! と、空気は読めないけど空気を変えることが得意な空雅によって。 30分ほど、意味の分からないバカげたクイズ大会が繰り広げられた。 .
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