第4恋

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GWにもなれば沖縄の気温はぐっと上がり、薄ら汗ばむ気温。 それでも海から吹いてきた水のように涼しい風のおかげで、心地いい。 「本当に空港まで迎えに行かなくても大丈夫だったのかなぁ?」 「ん。ハンディが、ついてるから」 今日5月4日は約束通り、瑠璃ちゃんが来る日。 昨日の夜に柚夢の誕生日パーティー……ま、名前だけって感じだけど。 を、やってそのまま全員家に泊まって行ったから今日は朝から全員集合していた。 ただ、煌と築茂と日向は午前中だけ部活で、終わったらすぐに帰ってくる。 大和と柚夢はGWで忙しくなるから、仕事は休めなかった。 だから結局、家には私と玲央と空雅。 「なぁ!!バーベキューしね!?」 「はい?まさか今からとか言わないよね?」 「俺だってそこまでバカじゃありませーん!」 「あぁよかったよかった。ついにイかれてしまったかと思ったー」 「う、うっせぇな!やろうぜ、バーベキュー!やっぱりGWと言ったらバーベキューでしょ!」 ただお前が肉を食いたいだけだろ、と思いながらも確かにGWは海沿いでバーベキューをする人が多い。 「そうだね、やろっか。でも今日は瑠璃ちゃんとハンディは来たばかりで疲れているだろうから、明日の夜ね」 「おっしゃー!!」 「愛花も誘いな。人数が多い方が楽しいでしょ」 「おう!電話してくるっ」 駆け足でリビングを出て行った空雅も、こういう素直なところはすごく可愛いと思う。 「悠」 「どうした?玲央」 「好きだよ」 「ふふ、私もだよ」 ソファに座る私の膝に頭を乗せて、私を見上げながら呟いた玲央。 私はそっと玲央の前髪を横にずらして、そのキレイなブルーの瞳に触れた。 「………」 「玲央、可愛い」 「………悠が、可愛い」 「私の性格、めちゃくちゃ可愛くないでしょ」 「可愛い。全部が可愛い」 「そんなこと言ってくれるの、玲央だけだよ」 玲央の肌に触れる私の手を優しく包んで、私の体温を確かめるみたいに、何度も撫でた。 .
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