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全く、どいつもこいつも私を悪者扱いしやがって。
男と女ってどうしてそんなに頭も心も身体も違うんだろう。
めんどくさいとしか言いようがないんだけど。
「とりあえず、ご飯が冷めちゃうから早く食べない?」
あ、危うく日向のおいしい料理の存在を忘れるところだった。
「そうだね。じゃ、この話はハンディさんもうちに泊まるってことで終わり!」
「……え」
「玲央、文句はなし!私が気を付けるから大丈夫!煌、空雅と瑠璃ちゃん呼んできて」
「はいよー」
まだ不満そうな表情の玲央を無理やり刺身の前に座らして。
おずおずとハンディさんもソファに腰掛けた。
「うわー!おいしそう!!」
「でしょ?私と日向が作ったから、とってもおいしいよ。ゴーヤは苦いから、食べれなかったら無理しないでね」
ご機嫌でリビングに入ってきた瑠璃ちゃんは、テーブルの上のご馳走に目を輝かせた。
全員が座ったことを確認したら。
「それじゃ、頂きます!」
手を合わせて掛け声をかけると、それぞれしっかり挨拶をしてお箸を持ち始めた。
おいしい、と無垢で純粋な表情で食べ進める瑠璃ちゃんの横には、まだムスッとしている玲央くん。
変なところが頑固で、1度本気で拗ねると中々元に戻らないのも玲央の性格。
「築茂、ゴーヤは身体にいいからたくさん食べようねー」
「……貴様、何している」
「え?優しい優しい煌くんが築茂のもよそってあげているんだよ」
「今すぐハゲろ」
瑠璃ちゃんがいる前でも殺気ムンムンの築茂に、私は瑠璃ちゃんの目を塞いだ。
「悠お姉ちゃん?」
「瑠璃ちゃんは、純粋で可愛い素直な大人になってね」
「……?うん!」
じろり、と視線だけで2人のやり取りをやめさせた。
「やっぱ刺身はうんめぇ!明日はバーベキューでたっくさん肉食べるから、丁度いいや!」
「バーベキュー!?」
「そうだよ、瑠璃ちゃん。明日は海でバーベキューしようね。あと花火も」
「花火!?やったぁ!!」
あぁ、子供って可愛いなぁ。
「じゃ、食べ終わったら悠と日向と俺で買い出し行ってくるか」
「うん!煌、運転役いつもご苦労様です」
唯一車を運転できるのが煌だから、いつもすごく助かっている。
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