第4恋

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これだけの人数がいれば、お皿の上にあったものはキレイにすっからかん。 「ごちそう様でした。大変、美味でした」 「美味って……ふふ、ハンディさんらしい」 「ははっ、そうですか?」 食べる仕草も丁寧だったハンディさんは、言葉も丁寧すぎる。 やっぱり、執事って言う役職につくと、気がぬけないものなのかな。 「おいしかったぁ!」 「喜んでもらえてよかった。夜は沖縄そばね」 「本当!?」 私の言葉1つ1つにあどけない顔をする瑠璃ちゃんを見ていると、私がめちゃくちゃ汚れて見える。 何か……子供に戻りたいとすんごく思うな。 「食器は私が片付けておきますので、神崎様方はお買いものに行かれて下さい」 「いや、でも……」 「このくらいさせて下さい。4日間もお世話になるんですから」 「ありがとうございます!それじゃ、お願いします」 食べ終わった食器を流しに運びながら、ハンディさんに後は任せることにした。 「瑠璃ちゃんは俺と玲央と遊んでるから大丈夫だよなっ?」 「うん!空雅お兄ちゃん、また漫画読みたい!」 「おうおう!空雅お兄ちゃんに任せなさいっ」 子供好きの空雅は、何だかすごく生き生きしている。 1人っ子だから妹が出来たみたいで嬉しいのかもしれない。 「俺は大学のレポートをやっているから、邪魔しないでくれ」 「相変わらず築茂は冷めてるなー。ま、別にいいけどよ!」 「じゃ、みんな大和たちが帰ってきたらお願いね」 「あいよー」 「玲央」 「……ん」 やっと小さく笑った玲央の頭を、ちょっと背伸びをしながら撫でて。 煌と日向と隣町のデパートへ、買い物に出かけた。 .
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