第4恋

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さすが驚異のGW、人の考えることは同じらしく、お肉や花火がずらりと並べられた売り場には。 落ちているお菓子に群がるアリのように人だかりが出来ていた。 知っているような知らないような顔も、ちらほらと。 「うわぁ……もうちょっと人がいなくなってからにしよっか」 「うん、そうしよそうしよ。何か嫌な予感がする」 「嫌な予感?」 煌の意見に激しく同意をしながらぽろっと出てしまった言葉に、日向が首を傾げた。 「1秒でも早くここから遠ざかろう。あー、変装してくればよかったかもなぁ」 GWでいつもより人が出歩いているということを忘れていた。 2人と歩いているところを同級生やバンド関係の人に見られるといろいろめんどくさい。 「確かに、悠は目立つからね」 「それは日向も同じ。もちろん煌もね。大学の人とかいたら言ってね。私の顔も知られてるんだから、まずいでしょ」 「そういえばそうだ!でもまさか、こんなに人がいるとは思わなかったな」 「とりあえず、人の少ないところに行こう。どこがいいかな?」 日向がきょろきょろと首を回しているうちに、私は会ってはまずい人を発見してしまった。 「ま、まずい!学校の担任だ!」 「えっ……担任の先生?」 「うん!あの人、頭がいいから勘付くかもしれない」 「とりあえず、2階のファッションのほうに行こう」 煌に腕を引っ張られながら、私はエスカレーターに日向と煌に挟まれるようにして乗った。 風舞先生、私服で買い物をしていたみたいだけど、新しい彼女さんとデートかしら。 でもそれらしい人いなかったけど、まさか1人で買い物とか? うわぁ、寂しいな。 「あっ!」 「どうしたの?煌」 「あれ、伊波くんじゃない?」 「伊波、って伊波先輩?声楽の?」 それって、この前の伊波櫂さんのこと? 煌と日向が視線を向ける方を私も見てみると、ファッション街の先にある書店に入って行く櫂さんが見えた。 背も高いし、髪の毛に特徴があるからすごく分かりやすい。 「櫂さん!」 気付いたら、私は櫂さんの名前を呼んで書店の方へと走り出していた。 .
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