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こんなに目立っていいのかと思えるほど鮮やかなブルーの海。
迫るような潮の囁きに耳を澄ませながら、立ち込める煙の中でひたすらお肉をひっくり返す。
「ほらー!焼けたよー」
「よっしゃぁ!!俺が一番のりぃ」
「こら空雅。普通は瑠璃ちゃんからでしょ。瑠璃ちゃんのお皿に甘口のタレ、入れてあげて」
お肉が焼けたことを知らせれば、真っ先に飛んできたのはもちろん空雅。
それを素早く止めたのはやっぱり日向で、空雅は渋々お箸を止めた。
「うわぁ!おいしそうっ」
「まだまだあるからいっぱい食べてね。もちろん、野菜も食べないとダメだよ?」
「……うぅ、ピーマンも?」
「ピーマン嫌いなの?」
「だって苦いんだもん」
子供の苦手な野菜第1位を嫌いな瑠璃ちゃんは、どこまでも可愛い。
「でも好き嫌いしてたら、大きくなれないよ?日向お兄ちゃんがおいしく焼いてくれるから、1回食べてみよう!」
「……うんっ、分かった!」
「偉い偉い。じゃ、まずはお肉どうぞ~」
「頂きます!!」
瑠璃ちゃんのお皿に何枚かのお肉を乗っけた後は、野獣たちの餌の取り合い大会が勃発。
「レオレオ!それ、俺の肉!」
「俺が、先に取った」
「大丈夫だよ空雅。そのお肉、今も焼いてるから」
「日向~俺にもその肉くれ!」
「はいはい」
必然的にお肉を焼く係りになっている私と日向は、俺様大和様にお肉をどっぷりお見舞い。
「塩コショウはどこだ?」
「はいよ、築茂。やっぱりお前はタレより塩コショウ派なんだな」
「当たり前だ。タレだと肉のうまみが消えてしまう」
「ははっ、確かにそうかもな」
煌と築茂の会話レベルも相当低いような気がする。
「悠、僕が焼くの変わるから悠も食べな?」
「ありがとう、柚夢。でも私はまだお腹すいてないしあまり食べれないから。焼くだけでもやらせて」
「そっか。疲れたらいつでも休んでね」
「はーい」
やっぱり、大人数でのバーベキューは楽しい!
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