第4恋

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こうやって花火をしていると、去年初めて6人と同じビーチで花火をやったことを思い出す。 あれから1年近く経つなんて、この1年の中でいろんなことがあったせいか。 早いような気がするけど、まだ1年なんだって感じもする。 「悠、これをやってみろ」 去年のように火薬がどうちゃらこうちゃらと、論理的なことは言わずに1つの花火を差し出して来た築茂。 「ふふっ」 「なぜ笑う?」 「いやぁー去年とは全然違うなぁと思って」 「……人は常に成長するものだ」 「築茂の場合は、心が一番変わったよね」 「はっ、お前が変えたんだろ」 こうやって、何の迷いもなく笑顔を見せてくれるようになったことも。 もし私が関係しているのなら、すごく嬉しい。 「それならよかった。で、この花火は?」 「ネタバレしたらおもしろくないだろ」 「へぇ~そんなにすごい花火なんだぁ」 至って普通に見える花火を受け取って、ライターで築茂に火をつけてもらうと。 「うわぁ!!!」 その、至って普通に見えた花火は。 パチパチじゃなく、キラキラと。 火が、星に見えた。 「みんな!見て見て!」 あまりの美しさに大声を上げると、みんなも私の花火を見て目を見開く。 「なんだこれ!?めっちゃ綺麗じゃん!」 「でしょ~?築茂がくれたんだっ」 「いいなぁ~私もやりたかったんですけど!」 「築茂ー、愛花の分とかある?」 「この花火はこれ1つだけだ」 相変わらず、まだ愛花には無表情を崩さない築茂。 ちぇっ、とふてくされた愛花も、その綺麗な花火に心奪われていた。 .
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