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あれよこれよと生徒会長の私を差し置いて勝手に話は進み。
午前中は屋台を出す人と回る人に分かれて適当に遊ばせることになった。
問題は、午後の体育館での出し物。
私の中での文化祭のイメージは、クラスごとにメイドカフェとかホストとかそんなことをやってはしゃぐものだとばかり思っていたから。
まさか、アンケート結果があんなことになっているとは思いもしなかった。
『神崎会長のナース姿が見たい』
『超難問の数学パズルを神崎悠にやらせたい』
『生徒会メンバーで小さな劇をしてほしい。もちろん、主役は神崎先輩!』
『ファッションショーwith神崎悠』
『神崎さんに男装してほしい!!!』
などなど。
誰がこんなことを仕組んだのか疑いたくなるほど、私の名前がずらり。
これを見た逢坂くんが突然発狂して、初っ端から決定事項になっていた。
というわけで、文化祭の午後の出し物は。
『数学パズル大会』
『男装・女装コンテスト』
『コスプレファッションショー(シナリオあり)』
上記、3つとなりました。
各クラスでやりたい人をそれぞれ3名ずつ選出してもらう。
何にも出ない人には審査をしてもらったり、見て楽しんでもらうことになった。
そして忘れちゃいけないのが、私は別枠ですべてに強制参加だということ。
明日の朝に副会長である樫村が全校放送を入れてくれる。
あまりの悲惨な内容に、私には説明する気力がなくなってしまったから。
「……マジでやるのかな」
しんしんと静寂の中に引っ張り込まれるような無人の気配が佇む廊下を歩きながら。
文化祭のことを考えるだけで重くなる足を必死に前に進めていた。
決定してしまったことをどう覆そうかと考えながら、学校全体の戸締りの最終確認をしていたため。
普通なら10分で終わるはずが、30分もかかっていた。
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