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朝の明るさが加速度を増して広がる時間帯、学校全体には悲鳴が広がっていた。
『神崎さん!!あの放送、本当なの!?』
『めっちゃ嬉しいんだけどっ!』
『ヤバくね?本当にやるとは思わなかったー』
『神崎悠のコスプレ……鼻血が出そう』
『文化祭、ちょー楽しみになってきたぁ!!』
みなさん、朝から元気で生徒会長である私はとっても嬉しいです。
ですが、興奮から鼻血出してぶっ倒れる生徒が現れる朝は果たしていかがなものでしょうか。
「おい!悠!!どういうことだよ!?」
「おはよう、空雅くん。今日も金髪が眩しいね。校則違反だけどいつになったら染めるのかな?」
「そんなことはどうでもいい!!文化祭の内容、どうなってんだよ!?」
「仕方ないでしょう。アンケートBOXに大量にあった結果です。あ、空雅はもちろん女装してコンテストに出るんだよー」
「俺が女装!?やるやる!絶対可愛くてやべーよ!って、違うし!俺じゃなくて悠がヤバいだろっ」
「本当に私も勘弁してください、って感じ。でも生徒たちが楽しめるものをやるのが先決だから仕方ない」
「嘘だろー……」
6人にどう説明するのかを悩んでいるのか、空雅は頭を抱えて項垂れた。
「悠ー?あんた、また大変なことになってんね」
「おはよ。愛花が変わってくれたらどんなに幸せなことだろうか」
「はっ!絶対に無理ってか生卵投げつけられそうだから遠慮しとくわ」
私の影武者がいてくれたら、なんてたまに思うけど恐ろしいからやっぱりやめた。
「ほらー、席につけー。HR始めるぞー」
本日もワイルド全開風舞先生が登場してくれたおかげで、私を取り巻く手段は大人しく自分の席へと戻って行った。
ちらっと風舞先生と視線が合えば、『ドンマイ』と口パクで言われて。
にっこりと殺気を匂わせる笑顔を返した。
部活の朝練習から帰ってきていた陽斗とも目が合ったけど。
すぐに逸らされて、ちょっと唇が突き出ているのは怒っているからかもしれない。
何に怒っているのか、と考えれば思い当たるのは1つしかないんだけど。
私は何も悪いことしてないし、放っておけば直るでしょ。
それよりも私は、早速空雅が報告してしまったのか、ほぼ同じ時間に来ていた6つのメールに。
静かに、ため息を吐いた。
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