第5恋

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お昼休みには着信ラッシュの到来。 『悠!空雅が言っていたことは本当なのか!?』 「やっほー、煌。今日は日向ぼっこしてご飯を食べるのに最高の天気だよー」 『本当なんだな……嘘だろ……』 「きちんとお昼は食べましょうねぇー」 『文化祭は6月25日だったよな?絶対に行くから覚悟しておけよ』 「……あはは」 全く話がかみ合っていないのに、最後の言葉1つで私の口は開いたまま塞がらなくなった。 部活や学校で来れなくなればいいのに、と心から思うことしかできない。 煌の近くに築茂と日向もいるらしく、後ろから2人の声も聞こえてくる。 それをすべてスルーして、電話を切った。 『おい、お前マジでやるわけ?』 「大和くんが2番のりー」 『人の話を聞けバカ』 「バカにバカって言われても説得力ありませーん」 『へぇ……そんなに逸らしたい話なんだな。文化祭に乗り込んでやるから』 ひょえー……怖い怖い。 バイトの休憩がもう少し遅ければ電話を取らずにすんだのに。 『あ、やっと出た!何回もかけてるのに通話中なんだもん』 「柚夢が今から聞こうとしていることについて電話で対応しておりました」 『そりゃそうだよね。で、本当なんだ?』 「ご想像にお任せします」 『僕がそんなこと、許すとでも思ってるの?誰が悠のコスプレを他の虫けら共に見せてやるって?ふざけないでよ』 「文句は先……いや、何でもありません」 文句は先生に言ってください、と言おうとしたけど本当に言いそうだからやめておいた。 余計にややこしくなりそうだしね。 終始、電話の向こうで黒い笑顔を浮かべている柚夢の電話を無理やり切って。 「ハロー玲央くん」 『……悠』 「うん、言いたいことは分かってるからそんなに怒らないでね」 『怒らないわけ、ない。絶対に、許さない』 「そういうわけにもいかないんだ。生徒会長としての立場があるからさ。ごめんね、玲央」 『………』 子供のように拗ねた玲央を、優しくなだめた。 .
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