343人が本棚に入れています
本棚に追加
/842ページ
軽くシャワーを浴びたのか、湿らせた髪の毛をタオルで拭きながら、上半身裸の大和がリビングに入ってきた。
最初こそはドン引きの眼差しを送ったけど、これから暑くなるし、いちいち気にしていたらキリがない。
私はちらっと見てすぐに視線を逸らした。
「あ、悠ー。今ちらっと見たなぁ!こんの変態めっ」
「は、はぁ?大和が服着ないのはいつものことだし?大和の身体なんて興味ないし?変態は大和でしょ!」
「ぶはははっ!!本当、お前かわいーな」
無邪気な笑顔で私の頭を撫でる大和に、ちょっとドキ、なんて。
悔しさからくる感情だと思い込み、タオルを奪い取ってぐしゃぐしゃと髪の毛を拭いてやった。
「ばっ!や、やめろっ」
「うっさいわ、このバカ野郎!」
笑ってるのか怒ってるのか、たぶん前者だけど私も怒っているフリをしながらガシガシと手に力をこめる。
「はぁ……全く2人とも、その辺にしときな。大和も早く服着なってば」
呆れながら私たちを引きはがした日向が、やっぱり一番強い。
「ちょっと、何イチャついてるわけ?」
「げっムウ!お前、もう帰ってきたのか」
「何、その帰ってきちゃいけないみたいな言い方」
「はぁ?いつも思ってるけど?」
「大和、喧嘩売ってるでしょ」
「喧嘩すっか?」
出た、お笑いコンビ。
「柚夢、お帰り!予定より早かったんじゃない?」
「ただいま。早めに終わったからね」
「そっか。よかったよかった」
「それじゃ2人とも、喧嘩するなら料理の邪魔だから外でやってよ」
「わぁ、日向ってば厳しい!」
そう言いながらも2人はじゃれ合いながら、未だに課題と取っ組み合いをしている空雅と築茂の元へと行った。
「それじゃ全員来たことだし、さっさと作って食べさせよっか」
「うん!」
いざ、オムライス!
.
最初のコメントを投稿しよう!