第5恋

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文化祭の出し物が決定してから1週間後の放課後。 いよいよ文化祭の1か月前に迫ったということで、コスプレの台本がコスプレマニア少女から届いた。 「神崎さんにやってもらいたいことをすべて詰め込みました!!よろしくですっ」 ダテメガネの中の真ん丸な目に、耳よりも高い位置で結ばれているツインテール、私よりも20cmくらい低い身長。 キラキラと輝くその瞳を曖昧に見つめて、苦笑しながらお礼だけを言った。 私と同じようにコスプレをする子たちは、圧倒的に男子率が高い。 今日の放課後は、コスプレファッションショーに出演する生徒たちが集まり、この台本を配り説明をしなくてはならない。 「みなさん、コスプレファッションショーに出演を決めてくれてありがとう。つい今届いた台本をこれからコピーして配ります」 1年生の教室に集まった生徒の数はざっと30人弱だけどそのうち20人くらいが男子という。 確かにうちの学校は男子の数のほうが圧倒的に多いし、女子は控えめな子がほとんど。 だけど、男子がナースやメイド服になるのは女装しているのと同じなんじゃないかと思う。 それを逢坂くんに指摘したところで。 『女子のみのファッションショーだと本当に変態になっちゃうじゃないですか。ウケを狙って男子をたくさん誘いました』 さすがというか、ここまで頭が回るなんて思ってもいなかったよ。 最終的に、女装のときはメイクも髪もばっちりやるけれどコスプレはただコスプレをして、台本通りに演技をするというものになったらしい。 「台本の中から自分がやりたいものを1つだけ選び、コスプレをして演技をするという形です。自分なりにアレンジしてみてもOK」 まだ台本の中身を見ていないから、どんなものになるのか想像がさっぱりできないんだけど。 .
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