第1恋

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「よっしゃー!オムライスッッ!うまそぅ」 「うまそうじゃなくて、絶対うまいから」 「日向が言うなら分かるんだけど」 「ちょっと煌、それどういう意味?」 「ごめんなさーい」 出来上がったオムライスを8人分テーブルに並べて、それぞれが好きなところに座る。 もちろん私のは7人の5分の1くらいの大きさだけど、これでもすごい進歩。 「飲み物勝手に取ってよー」 日向がグラスを出して言えば、冷蔵庫のペットボトルを好き勝手に出して注ぎ始める。 「あっ!大和、俺もコーラ飲むから残しといてよ」 「ムウはゴーヤジュースでも飲んどけ」 「コーラならもう1本あるから大丈夫だよ」 苦笑しながら言う日向にムウは大和を恨めしそうに睨む。 「ぶははっ!本当に大和とムウは賑やかだねぇ」 「うるさい、の間違いだろ」 「早く、食べたい…」 「レオレオ、それ俺のスプーンなんだけど!?」 こんな光景が、私は物凄く幸せで堪らない。 「それじゃ、いただきます」 「いただきまーす」 やっと席に揃ったら全員で手を合わして一気に食べ始める。 べちゃ、と食べ急ぎすぎてテーブルの上に零した空雅を日向が呆れて叱ったり。 大和と柚夢のジュース争奪戦が始まれば築茂の額に青筋が出来たり。 どこに行っていたのか、レイが帰ってくれば玲央はレイのご飯を用意したり。 そんなみんなを私と煌は笑いながら見るのが、もうお決まりのこと。 「そういえば、新学期のクラスはどう?」 「空雅とも愛花とも同じクラスだったよ。全く、離れられると思って期待してたんだけど」 「へっ!とか言って本当はめっちゃ喜んでる悠のくせにー。素直じゃねぇなー!」 日向に聞かれて答えれば、空雅はすかさず鼻高々と言い切る。 私がじろり、と睨めばオムライスを口に詰め込んだ。 「でも担任が変わっちゃったんだよね」 「ってか新しい担任のアキラっち!!めっちゃイケメン先生だよなー!」 アキラっち? 何このバカ、早速たま○っちみたいなあだ名つけてるよ。 古いと思うんですけど。 .
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