第6恋

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男装女装をするのは、男女それぞれ10名ずつ。 本当はクラス1人1人を希望していたんだけど、羞恥心と見ているほうが楽しいという人が多かったため。 自らやりたいと申し出てくれた人たちだけの出場となった。 そして何故か私1人だけ、男装の最初と最後を歩かないといけないらしい。 「大変お待たせいたしました!!文化祭、午後の部はこの体育館だけで行います。トップを飾ってくれるのは、やはりこの方です!!!」 司会者の声と共に会場の照明は暗くなっていく。 カラフルなライトが会場をグルグルと回り、派手な音楽が流れ始めた。 私は一度深呼吸をしてから、ステージへと踏み出した。 「男装部門、優勝候補であり、この文化祭を計画しここまで引っ張ってくれた生徒会長でもある……神崎悠!!!」 『キャァァァァァァ!!!!』 おおぉー……すんごい悲鳴というか、アイドルになった気分。 私は内心、引き気味になりながらも顔はしっかり作ってズボンのポケットに手を差し込み。 スポットライトが照らされると同時に、ステージの中心で決めポーズ。 ……うわぁ、やっぱり恥ずかしいわこれ。 「見て下さい、このルックスにこのオーラ!!男顔負けのイケメンすぎるフェイスに、いつもの神崎悠さんの面影はどこにもありませんっ」 『神崎先輩ー!!!』 『キャァァー!カッコ良すぎぃぃぃ!!』 『神崎さぁぁぁん!!結婚してぇぇ』 すいません、何言ってるか全く分からないけどとりあえず投げキッスはしてあげる。 会場全体は真っ暗でどこに誰がいるのかなんて分かるわけもない。 おかげで、彼らの姿を探さなくてすんだ。 ステージをぐるっと廻り、女子へのサービスを終えた後。 ステージの一番前に置いてあるスタンドマイクのところで。 「俺に投票、よろしく。お前を……愛してる」 『キャァァァァァァァ!!!!』 「な、ななんと言うことでしょうか!!あの神崎悠さんからの愛の囁きに会場は失神しそうな女子が大量発生です!!」 あははー私、案外これ好きかもしれない。 .
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