第6恋

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準備が出来たら急いで女装をしている男子たちが待機している舞台袖へと戻る。 「か、神崎先輩!?」 「逢坂くん。今どこら辺?」 「え、えっと8人目です。次の次に神崎先輩が出て男装は終わりです…けど……」 「どうか、した?」 「へっ!?あああああの!!さっきもカッコよかったですけど……さらにカッコよくって…」 「あははっ!それはありがとう。でも逢坂くんはかなり可愛いっ。私なんかよりずっと女の子みたいだし、普通に女の子に間違えられそう」 「……はは、ありがとうございます」 真っ赤な顔を隠すためにか、逢坂くんは俯いた。 「ちょ、お前悠か!?本当にさっきと同じ人間!?」 「空雅、声でかい!当たり前でしょ。どう?築茂と煌を混ぜた感じじゃない?」 「あぁ!確かに言われてみればそうだな……ってか悠、お前って本当に何着ても似合いすぎっ」 「はいはい。それじゃ、もうそろそろ出番だから行ってくるね。空雅も近いんだから、セリフとかポーズの確認しときなよ~」 「俺はばっちりだし!任せとけって!」 ニカッと綺麗な白い歯を見せて笑った空雅に手を振って。 「いよいよ、男装最後の方となってしまいました……。男装の最後を飾ってくれるのはやはりっ!!この方しかいません!もう一度登場して頂きましょう!神崎悠!!!」 『キャァァァァァァァァァァ!!!!』 おほほほー、さっきより悲鳴がパワーアップしてる! 何だか知らないけど私もめちゃくちゃテンション上がってきちゃったかもっ。 「何と!トップバッターを飾ってくれた神崎悠が、違う男装で最後に姿を見せましたぁ!!」 上着は肩にかけて、片手はポケット、さっきは堂々と俺様風に歩いたけど今回は爽やかに歩く。 今にも鼻血を出しそうな女子たちに手を振り、マイクの前へ。 「みんな、今日は本当にありがとう!最後まで僕たちと一緒に文化祭を盛り上げよう。出来れば僕に投票してくれると……嬉しいかな」 『イヤァァァァ!!神崎さぁぁぁん!』 『するに決まってるっっっ!』 『悠ちゃーんっ!こっち向いてぇぇ!!』 最後の決め台詞とウインクをばっちり決めて、無事男装は終了。 いやぁー、思った以上に楽しすぎたね! .
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