第6恋

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姿勢がキレイに見える立ち方に、眼鏡をくいっと上げる仕草をすれば。 女子はとろ~ん、とした顔で。 男子はぽわ~ん、とした顔で。 たくさんの人の視線を、一身に受けていた。 「なぜ、課題をやってこなかったんですか?」 「……すいません、先生」 「謝ればいいってものではないんです。まぁ、あなたのことですからゲームのやりすぎでしょう。全く、いい加減勉強に力を入れなさいと何度言ったら分かるんですか?」 「すいません、先生」 「全然、申し訳ないように聞こえないのですが。本当に反省しているんですか?態度で反省の色が見えなければ、信じられません」 「……すいま、せん…」 顔を真っ赤にさせながらも、いよいよこの男子が可哀想になってきたから。 「本当に反省しているの、なら……私の言うこと、何でも聞けますよね?」 ゆっくりと男子生徒との距離を縮めて、彼のネクタイに手を伸ばす。 ぐっとそれを掴んで、身体を引き寄せ顔を近づけた。 「……おしおきを、してあげましょう」 『キャァァァァァ!!!』 彼に顔を近づけたところで、ピタリと止めて会場にふ、と小さく微笑むと。 物凄い悲鳴が上がって、顔を真っ赤にする人で溢れかえっていた。 「あ、ありがとうございましたー!!!」 司会者の声で、私は今にも鼻血を出してぶっ倒れそうな彼と距離を取った。 小声でありがとうと呟いて、司会者の質問に答えていく。 反応を見る限り、すごく反響があることは分かった。 「いやぁ~本当に素晴らしい演技でした!!まだまだ神崎会長のステージはありますので、みなさんお楽しみに!」 眼鏡を取って、手を振りながら舞台袖へと戻った。 .
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