343人が本棚に入れています
本棚に追加
/842ページ
今回私はピアノだから、ピアノがある防音室で撮る。
それぞれがそれぞれの楽器を出して、まずは音だしや基礎練習をして。
30分くらいしたら、曲を合わせていく。
「じゃぁ、頭からやりまーす」
煌の合図で私が作ったオリジナル曲が流れていく。
「ちょっと待て。3小節目の空雅と大和、縦が合ってない」
「わりぃ。空雅、俺に合わせられるか?」
「頑張る!ちょっと2人だけで合わせてみようぜ」
築茂が止めたように、何か気になるところがあったらすぐに言って直すことがルール。
少し合わせたり、意識を変えるだけで全然変わるから。
それからも最終まとめをするように、それぞれが注意する点、誰と合わせるのか、アイコンタクト、など再確認して。
1時間半後、ようやく動画を撮る。
もちろん、顔隠しのためにお面や覆面をかぶるんだけど。
それがちょっと可愛い。
「……やっぱり、これじゃなきゃダメなんだね」
「ムウ、いい加減腹くくれって」
「だって、どうして僕が豆○ばなんだよ」
「可愛いじゃん、豆○ば!」
豆○ばのお面を手に、げんなりとする柚夢に大和が笑って茶化す。
柚夢には絶対可愛いと思って私が選んだお面なのだ。
まだ動画を撮るのは今回で3回目の柚夢は、未だにお面を被ることに躊躇するらしい。
私はうさぎ、大和は鬼の顔をした天狗様、空雅はプ○キュアのキャラクター、本人は結構ノリノリです。
築茂は不審者みたいな真っ黒い覆面に、日向はカエル、玲央はもちろん猫で煌は黒○のバスケで有名なイケメンキャラ。
また面白いお面があったらそれに変えよっと。
これが私の密かなマイブームというか趣味になってたりする。
「撮るぞ」
カメラを準備した築茂の声に、私たちはスイッチを切り替える。
録画が始まった瞬間に、そこからは私たちだけの音で表現する世界。
.
最初のコメントを投稿しよう!