第1恋

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今回私はピアノだから、ピアノがある防音室で撮る。 それぞれがそれぞれの楽器を出して、まずは音だしや基礎練習をして。 30分くらいしたら、曲を合わせていく。 「じゃぁ、頭からやりまーす」 煌の合図で私が作ったオリジナル曲が流れていく。 「ちょっと待て。3小節目の空雅と大和、縦が合ってない」 「わりぃ。空雅、俺に合わせられるか?」 「頑張る!ちょっと2人だけで合わせてみようぜ」 築茂が止めたように、何か気になるところがあったらすぐに言って直すことがルール。 少し合わせたり、意識を変えるだけで全然変わるから。 それからも最終まとめをするように、それぞれが注意する点、誰と合わせるのか、アイコンタクト、など再確認して。 1時間半後、ようやく動画を撮る。 もちろん、顔隠しのためにお面や覆面をかぶるんだけど。 それがちょっと可愛い。 「……やっぱり、これじゃなきゃダメなんだね」 「ムウ、いい加減腹くくれって」 「だって、どうして僕が豆○ばなんだよ」 「可愛いじゃん、豆○ば!」 豆○ばのお面を手に、げんなりとする柚夢に大和が笑って茶化す。 柚夢には絶対可愛いと思って私が選んだお面なのだ。 まだ動画を撮るのは今回で3回目の柚夢は、未だにお面を被ることに躊躇するらしい。 私はうさぎ、大和は鬼の顔をした天狗様、空雅はプ○キュアのキャラクター、本人は結構ノリノリです。 築茂は不審者みたいな真っ黒い覆面に、日向はカエル、玲央はもちろん猫で煌は黒○のバスケで有名なイケメンキャラ。 また面白いお面があったらそれに変えよっと。 これが私の密かなマイブームというか趣味になってたりする。 「撮るぞ」 カメラを準備した築茂の声に、私たちはスイッチを切り替える。 録画が始まった瞬間に、そこからは私たちだけの音で表現する世界。 .
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