第6恋

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すべての片づけを終え、生徒のほとんどは満足した表情で校門を通り。 最後まで残ってくれていた生徒会役員と文化祭実行委員会の生徒たちにも、感謝の気持ちを述べた。 もちろん、文化祭を作ってきた側としては楽しいことばかりではなかったと思う。 早く家に帰ってやりたいこと、部活を休まなければいけなかったこと。 それを我慢して、夜遅くまで学校に残ってくれたみんなには本当に助けられてきた。 だからこそ、こんなにたくさんの人を笑顔に出来た文化祭を作れたんだ。 「本当に本当に、ありがとうございました!!帰ったらゆっくり休んでください!お疲れ様でしたー!!!」 私の最後の挨拶で解散となり、私は最後の仕事。 「ご苦労だったな、神崎」 「風舞先生も本当にありがとうございました。先生のおかげでいろんなことがスムーズに行きました」 「いや、俺は何もしていない。神崎生徒会長のリーダーシップと冷静な判断、何よりもあの“素晴らしい演技”のおかげだ」 体育館の鍵をしっかり締めたことを確認して、鍵を職員室に預けに行けば。 予想していた通り、私と同じように生徒会担当教師として最後まで残っていた風舞先生がいた。 だけど……何でだろうね、このめちゃくちゃ愛想笑いの感じ。 『素晴らしい演技』だけやけに強調したような気がするんだけど。 「そりゃ、あんだけ我を捨てて挑んだことですもん。どんだけ練習したと思ってんですか」 「本当かぁ?お前、案外すんなりとやっていたような気がするんだが。というか、演技にしては上手すぎだろ」 「あはは!そうなんですよねー、すごく言われました。私、演技の才能があるみたいです。女優にでもなりましょうかね~」 「お前には無理だ、と言いたいところだけど。本当になれるだろうから笑えねーわ」 「えぇー、何ですかそれ。つまらなーい」 「……はぁ、もう遅いから早く帰れ」 「はーい。先生、お疲れでしょうからゆっくり休んでくださいね。それじゃ、さようなら!」 大きなため息を吐いた風舞先生の疲れをこれ以上増幅させるわけにはいかない! 私は、ペコッと頭を下げて小走りで職員室を後にした。 .
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