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白い革製のソファは、余裕で8人全員が座れる大きさ。
俺の目の前には、開き直った顔でしれっとしていて、俺が今日1日ずっとムカついている相手。
「おい、悠」
自分でも分かるほどに、嫉妬の光を帯びた目つきで睨む。
無理やりな感じで俺と目を合わせた悠は、あからさまに呆れたため息を吐いた。
「大和、そんなに睨んでも悠には無意味だってこと、分かってるでしょ」
「睨まずにいられるかよ!こいつは……俺たちを騙したんだぞ?」
こんな時でも悠を庇おうとする優しさを見せる日向の言葉も、今の俺には気に食わない。
本当はめちゃくちゃ怒りでどうにかなりそうなくせに、平常心を無理やり保とうとしやがって。
「大和の言葉には滅多に賛同しない僕も、今回ばかりは大和と同じ意見だね。怒りが腹の底をぐらぐらさせるよ」
「俺、も……怒りより、悲しい。悠は、嘘をつかないと…思っていた、のに」
「ムウも玲央も落ち着いて。まずは悠の話を聞こう」
煌の野郎、こうやっていつも大人ぶって1人だけ冷静にしてるところも勘に触る。
「とっとと話を進めなければ、このバカの頭が高速回転して上手い言い訳を作るぞ」
「おいおーい!バカの頭じゃ高速回転しなくね!?ってか、悠がバカだったら俺はどうなんだよ!」
「今はお前の話などどうでもいい。黙っとけ、バカザル」
築茂と空雅のやり取りも、普段はおもしろいと感じるのに、今の俺にはウザいとしか思えない。
俺がこんなにムカついている原因は、今日の朝から始まっていた。
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