第7恋

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どうしようもないことを、バイクに寄りかかりながら考えていると。 「おい、見ろ」 それまで不気味なほどに無口だった築茂が道路のほうを指さした。 築茂の指の先を追ってみると、少ない街灯しかない道を歩く、1つの人影。 すらっと細い体系、普段は腰まであるサラサラの黒髪はゆるく巻かれていて、キレイな歩き方。 「悠!!!」 俺は、誰よりも早く悠の元へと走り出していた。 だけど何度も悠の名前を呼んでいるのに、悠はイヤホンをして音楽を聞いているらしい。 全く、俺の声は届いていなかった。 「こんの……バカ女!!!」 まくっているYシャツから出ている、白くて細すぎる腕をぐっと俺のほうに引き寄せる。 反対の手で悠の耳に差し込まれていたイヤホンを引っこ抜いて、俺の声だけを悠の身体に振動させた。 「…大、和……?」 やっと、俺を見て俺の名前を呼んでくれた悠。 街灯の下で露わになる悠の透き通った白い肌、触り心地のいい頬、真っ直ぐで綺麗な瞳、通った鼻筋に形のいい唇。 そのすべてが、今、俺をこんなに苛立たせていて、こんなに苦しくさせている。 本当は今すぐにでも俺の中に閉じ込めたかったけど、すぐに追いついてきた奴らによって、それは阻まれた。 .
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