第7恋

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そんな日向は、悠のコップに水を注ぐ。 他にもジュースはあるけど悠に聞いて返ってくる答えが分かっているからだ。 「はい、悠。気分転換に飲んだほうがいいよ」 「……うん、ありがとう」 小さく微笑みながら、悠の綺麗な腕が日向へと伸ばされた。 いつもならこんな些細なことでは何とも思わない俺なのに、今日の俺の沸点は低いらしい。 その綺麗な腕を、俺の腕だけに縛り付けてしまいたいと、強く思ってしまう。 「俺、築茂が心配だからちょっと様子見てくるわ」 そう言って立ち上がった煌を、悠は僅かに不安気な色を瞳に映した。 すぐに気付いた煌は、そのまま悠の頭を撫でて短く息を吐く。 「大丈夫、そんな顔をするな。築茂の言っていることも確かに一理あるけど、あれだけが築茂の本心じゃないことも悠なら分かってるだろ?」 悠が、煌に頭を撫でられることなんて日常茶飯事だ。 「すぐに戻ってくる。少し、この件について俺たちも一度頭を冷やして考えるべきだな」 煌の手が悠から離れたのに、悠の視線がリビングを出ていく煌の背中を追っていく。 こんなこといつものことで、もうだいぶ前に慣れたはずじゃないのか? 俺が勝手に悠を独占したくて堪らないってだけで、悠は誰も選んでいないし誰のものでもない。 だから悠の放つ言葉も行動も、悠自身の意思で決めることが普通だ……ってことは、よく分かっている。 どうしてだ? どうしてこんなに、イラつく? .
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