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丁度そんなところに帰って来た、煌と築茂。
築茂と悠の視線が合うと、築茂は気まずそうに、悠は何ら変わらない表情で微笑んだ。
「2人とも、丁度いいところに帰って来たね。今、悠のおしおきについて決まったんだよ」
「おしおき!?そ、そんな話いつしてたっけ?」
「空雅は黙ってようか。とりあえず、座ってよ」
相変わらず強引に話を進めるムウに誰も何も言えず、煌と築茂は言われるがままにソファに座る。
悠はムウをドン引きした目で見ていることは、言うまででもないか。
「築茂が怒って出て行ったあと、悠がどうしたら築茂は許してくれるんだろうって言ってさ。そしたら空雅がキセキに近いほどの名案を思いついたんだよ」
「……俺って褒められてるんだよな?」
「空雅、黙ってた方が身のためだよ」
バカには回りくどい言い方は通用せず、日向が苦笑しながら空雅を黙らせた。
「もう一度、ここだけでコスプレをするんだ」
キラキラのスマイルと言っていることがミスマッチすぎて見てらんねーんだけど。
「ムウ………それは、えーっと…」
「明日、僕がド○キでコスチューム買ってくるからさ。夜にでも悠に着せて披露してもらおうよ。もちろん、髪型やメイクは僕に任せて」
1人やる気満々のムウに、煌の顔は引きつりまくり。
元の原因である築茂は眉間にシワを寄せて考え込んでいるようだけど、案外不穏な雰囲気ではない。
「ちょっと、私は一言も承諾していないんですが」
「何言ってるの?悠に拒否権はないに決まってるでしょ。おしおきなんだから」
「いやいや、築茂はどうしたら許してくれるかって話だったでしょうよ」
「築茂はこうでもしないと許さないよねぇ?ねぇ?」
「うわー……こいつ、こわー……」
やべ、思わず心の声が出てしまった。
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