第7恋

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有無を言わせないムウの勢いに、普通なら誰もが反射的に首を縦に振りそうなのに。 冷めた表情でムウとしばらく見つめ合える築茂はさすがだ。 「………まぁ、別にもう怒ってなどいないが。怒ってるのは俺だけじゃないはずだしな。お前らだって同じだろ。ならば、やるべきことはやってもらう」 すんげー、築茂らしい回答だな。 「ってことで、決まりだね。悠、明日はなるべく早く帰って来てよ?門限は18時ね」 「あー……はい、もうどうでもいいです。おっしゃる通りに致します」 悠が、折れた。 「ただし、ムウ1人でコスチュームを選ばせるわけにはいかない。お前の趣味だけで決められても困るからな」 「そういうなら、築茂も明日、一緒に買い物に行く?」 「ちょ、ちょっと!2人が行くなら俺も行くよ!お前らだけじゃ絶対に危険だから!」 「え~煌も行くの~?明日、部活はないわけ?」 「ないよ。ってことで、俺もついて行こうかな」 「げっ、日向まで行くのかよ!?じゃ、じゃぁ俺だって行くしっ!!」 「バカはついてくるな」 「行くし!絶対に行くし!」 「はいはい。分かったよ、空雅。残るは……大和と玲央は大人しくお留守番してる?」 1人が名乗り出れば全員が手を挙げる、全くめんどくせー奴らだ。 「行くに決まってんだろ」 悠が俺好みのコスプレをしてくれる最初で最後の機会なんだし、こんな絶好のチャンスを逃すわけにいくか。 悠の隣で、玲央もしっかりと頷いていた。 .
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