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有無を言わせないムウの勢いに、普通なら誰もが反射的に首を縦に振りそうなのに。
冷めた表情でムウとしばらく見つめ合える築茂はさすがだ。
「………まぁ、別にもう怒ってなどいないが。怒ってるのは俺だけじゃないはずだしな。お前らだって同じだろ。ならば、やるべきことはやってもらう」
すんげー、築茂らしい回答だな。
「ってことで、決まりだね。悠、明日はなるべく早く帰って来てよ?門限は18時ね」
「あー……はい、もうどうでもいいです。おっしゃる通りに致します」
悠が、折れた。
「ただし、ムウ1人でコスチュームを選ばせるわけにはいかない。お前の趣味だけで決められても困るからな」
「そういうなら、築茂も明日、一緒に買い物に行く?」
「ちょ、ちょっと!2人が行くなら俺も行くよ!お前らだけじゃ絶対に危険だから!」
「え~煌も行くの~?明日、部活はないわけ?」
「ないよ。ってことで、俺もついて行こうかな」
「げっ、日向まで行くのかよ!?じゃ、じゃぁ俺だって行くしっ!!」
「バカはついてくるな」
「行くし!絶対に行くし!」
「はいはい。分かったよ、空雅。残るは……大和と玲央は大人しくお留守番してる?」
1人が名乗り出れば全員が手を挙げる、全くめんどくせー奴らだ。
「行くに決まってんだろ」
悠が俺好みのコスプレをしてくれる最初で最後の機会なんだし、こんな絶好のチャンスを逃すわけにいくか。
悠の隣で、玲央もしっかりと頷いていた。
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