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視線はコスチュームのまま、俺たちに横から手招きをした玲央のほうへと行ってみると。
「………玲央、本当に猫好きだね」
『迷子の子ねこちゃんセット』と書かれたコスプレを見た最初の感想は、誰もが日向と同じ気持ちだと思う。
ピンク、白、黒と色の種類もあってふわふわカチューシャとしっぽまでついている。
「これいいねぇー……ネコ耳は文化祭でもやっていたけど、しっぽはなかったからなぁ。絶対可愛いすぎてヤバそう」
「うわ、想像したら俺、ヤバい!!」
「煌と空雅は変態な想像してないでよ」
「いや、一番変態なのはムウだから」
「そういう大和だって変態でしょうが」
「日向、僕のためにありがとう!」
ま、男はみんな好きな女のことは想像するし、変態なのは当たり前だ。
「あ、この不思議の国のうさちゃんセットも可愛くない?」
日向が手に取ったのも、かなり可愛い。
「っていうかさ、さっきっから思うんだけどこれを着ているモデルたちなんかよりずっと悠が着た方が売れるよね。このブス共が」
「俺もちょー思ってたわ。絶対にそうだし。でももう悠が他人の前でコスプレしている姿は見たくないわ」
ムウの言葉に俺も激しく同意。
「2人とも、モデルさんに失礼だって。こんな顔でも一応モデルなんだから。たとえ事実でも口にしちゃダメだよ」
「そういう日向の言葉が一番えげつないな。気持ちは分からんでもないが」
眼鏡をくいっと上げながら無表情で言う築茂をこのモデルが見たら、絶対に泣くだろう。
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