第7恋

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「尾行……とか」 何でだ、こいつが真顔で言うとめちゃくちゃ怖いんですけど。 「それいいね!これだけ人がいるんだし、後ろを歩けば僕たちでも気づかれないよ」 「でも尾行して何も分からなかったらどうすんだよ?」 「見るからに悠たちは出口へと向かってる。恐らく外に出るはずだ。外に出ても2人で歩いていくようなら、確定だろうな」 築茂の推測に、俺も納得して頷いて見せた。 「よし、見失わないうちに早く行こう」 「おっほ~!ストーカーごっこってか!?楽しそうだぜ!」 「遊びじゃ…ないよ、空雅」 「レオレオ、分かってるって!」 こうして、俺たちの悠を尾行する隊が動き出した。 「反対側の通路から俺とムウ、空雅で行こう。こっちの通路から日向たちで頼む。まとまってたら周りから注目されるからな」 「了解」 大きく2つに分かれている通路は、どっちから行っても悠の姿を見失わなずにすむ。 煌たちが反対側の通路に行ったのを確認して、俺たちもなるべく自然に悠の少し後ろを歩いた。 「なんか………悠とすれ違う男がみんなして振り返ったりちら見してるのが気に食わないね」 「全くだ。後ろからではどんな表情をしているのか分からないが、恐らくまた無防備な表情をしているんだろう」 「あの、男……ムカつく。早く、悠を、取り戻したい」 「当たり前だろ。とっとと家に連れて帰ろうぜ」 そしていよいよ、悠と男が出口を出た。 .
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