第7恋

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出口を出て駅のほうへと歩き始めた2人。 周りには知り合いらしき人物もいないし、相変わらず2人だけで肩を並べている。 「これはやっぱりデート、かも」 出口を出るときに合流した煌がぼそっと呟いた言葉に、俺たちの間で不穏な空気が流れ始めた。 「これではっきりしたよね。悠はまた僕たちに嘘をついたんだ。早く取り返して事情聴取させないと」 「今回ばかりは、俺もムウと全くの同意見だな。悠を庇うことはできない」 いつもどんな状況でも一番大人で変わらない煌ですらお手上げ。 あいつは本当に何も分かっちゃいない。 「どうやって取り返すんだ?普通に声かえるだけじゃつまらなくね!?」 「確かにそうだな。ちょっとこらしめてやらねーと」 悠には少し思い知らせないといけねーからな。 「こらしめるって言ったってどうするの?俺は乱暴なことだけは反対だよ」 「空雅、あの男の名前は?」 「えーっと、確か逢坂稔ってやつだったと思う!……ほら!文化祭の時に女装で優勝したやつだよ!」 日向の意見は完全スルーしたムウが聞くと、空雅が思い出したように言った。 そう言われてみればそんな感じだけと、その時は悠のことで頭がいっぱいだったから全然覚えてない。 「あぁ……逢坂くんか。身長伸びたから気づかなかった」 「日向も知ってるの?」 「ちょっとね。一応高校の後輩だし」 「ってことは空雅と日向はあいつに顔を知られてるってことだね」 ムウの言葉に2人は頷いた。 .
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