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煌なんかめっちゃ笑い我慢しているのがバレバレだし、空雅は口抑えて思いっきり笑ってるし。
日向においては、憐みの目で気持ち悪いほどに微笑んでいるし。
こいつら………俺をオモチャにしてるな。
「でもさ、運命が決まるって逢坂くんがどんな行動をしたらどうするとかっていうのはもう決まってるの?」
「あぁ。大和の殺気に恐れて逃げたらもう悠の隣を歩く資格はない。後々後悔して、精神的ダメージを必然的に受けるだろうね」
こいつが言いたいことはつまり、俺たちが特に何もしなくても、自分で勝手に落ち込んで勝手に悠を諦めるだろうってことか。
「でも逢坂くんは結構、強気だからね。俺、あの子にすっごくムカつく言葉、言われたことあるしさ」
「へぇー、日向を怒らすのなんて相当な奴だな」
「まぁ、もし大和に負けじと言い返して来たりしたら大和は強引にでも悠を引っ張ってきていいよ。もしくは、僕が臨機応変に登場していくから」
「いや、それは頼むからやめてくれ。お前が出てきたら絶対に俺が悪者じゃねぇか」
絶対に周りに薔薇を咲かせて、どっかの国の王子様を気取って出てくる気だ。
「とりあえず、大和があいつを怯えさせるくらい迫真の演技をすればいいのさ。じゃ、僕たちは後ろから見ているから頑張って」
「ちょっ!俺の話を…っ」
「大和、いい加減腹を割れ。駅が近くになるにつれ人が多くなるぞ。そうなって恥ずかしい思いをするのはお前だ」
「……くそっ!」
築茂の最もな意見に俺は歯を食いしばり、半ば投げやりに悠のほうへと走り出した。
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