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飲み干したコップを軽く洗ってから、重たい足を無理やり動かして向かったのは。
お通夜のような重苦しい空気がよどむリビング。
あぁ……もう、最近こういうの多くて蜘蛛の巣が瞼の上を重く張り付けられているように気分が物憂い。
「………とりあえず、みんなお昼は食べたの?何も食べてないなら何か作ろうか?」
「今は食べる気分じゃねぇよ。そんなことはどうでもいいから、とっとと座れ」
先ほど、私と逢坂くんの前で爆笑演技をしてくれた大和の俺様口調も普段より、随分と迫力が増している。
「で、悠はまた僕たちに嘘を吐いたと?」
「別に嘘じゃないよ。逢坂くんは生徒会の役員だし」
「いや、悠は確かに生徒会役員で文化祭の打ち上げだって言ったよね?打ち上げっていうのは2人でできるものじゃない」
もういいや、大人しく白状しよう。
「えっと、逢坂くんが文化祭の女装コンテストで優勝したら1つだけお願いを聞いてほしい、って言われてたの。そのお願いが今日デートして下さい、だったってわけです」
私もお願いの内容を聞いた時はちょっと考え込んだけど、約束を破るわけにもいかない。
デートって言ったって2人で出かけるだけだし、男女2人が出かけるのをデートというなら、7人とだって何度でもデートしている。
大高とマ○クに行ったのだって、遼さんとカフェに行ったのだって、2人きりだったけど別に何も問題はなかった。
……まぁ、遼さんの時はいろいろとあったけど。
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