第8恋

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まっすぐ延ばせば月にだって届きそうなくらい長く深いため息を、誰がしたのか分からないほど全員が頭を抱えている。 「悠……どうして正直に言わなかったの」 「昨日と同じような理由かな。言ったところで簡単に許してもらえないと思ったから」 煌に聞かれたことに素直に答えると、何度も小さく頷きながら煌は唇を噛みしめた。 「要するに、悠は俺たちに縛られすぎてるんだ。俺たちがあまりにも心配しすぎて、悠に嘘を吐かせている。悠だって普通に友達としての付き合いだってあるはずなのに」 さっすが煌、よくぞ言ってくれました! 「みんな、もう少し私を信用してほしい。私は自分の身は自分で守れるし、人の好意もしっかり断れるよ。みんなに心配されるのも不安にさせるのも嫌なんだ」 真剣に言えば、きっと伝わる……はず。 「……だけど僕は、世界の何よりも悠が大切だ。僕が認めない男が悠に近付くのは絶対に嫌だし、話したり笑い合ったりする姿も見たくない。出来れば、悠をこの家から出したくないんだけど」 「柚夢、それは……」 「分かってる。それは僕の欲望で悠の気持ちを無視することになる。だから、なるべく悠の気持ちは優先したんだけど……いざ目の前にするとマインドコントロールがうまくいかない」 柚夢は昔とだいぶ変わった。 確かに昔から独占欲や嫉妬心は強かったけど、いつも自分の気持ちよりも私の気持ちを優先してくれていた。 その時の私には、それが柚夢を苦しめているようで嫌だったけど今は全く逆だ。 だけど昔の柚夢と比べたら、今の柚夢のほうがずっと好き。 .
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