第8恋

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向かった先は、洗面所。 バタン、とドアが閉まった音と同時に柚夢の腕が後ろから回ってきて。 そのまま強く、抱きしめられた。 「柚夢……?」 名前を呼ぶとさらに抱きしめられる腕が強まり、柚夢の顔は私の首筋に埋められた。 「んっ」 軽く首筋にキスが落とされて、思わず声が漏れる。 「柚夢、早く着替えないと」 「………ずっと、こうしたかった。悠が僕の知らない男と楽しそうに話す姿を見るだけで、胸をちりちりと焼かれる思いをしてた」 一度離されたと思ったら、次は身体を反転させられて前から抱きしめられた。 それもすぐに距離が出来て、柚夢の綺麗なコバルトブルーの瞳が私を見下ろす。 「悠、問題ね。悠に見えて僕には見えないものってなーんだ?」 「急にどうしたの?」 「答えはね、今、悠の立ち位置から見える景色でした。もう1つ問題。僕に見えて悠には見えないものってなーんだ?」 「えぇー……」 「答えはね、何言ってんだ?っていう悠のその表情」 そのまま、柚夢は。 苦しそうな表情で私の唇に。 深いキスを、落とした。 .
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