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しっかりネコ耳としっぽまでつけ終えて、鏡で確認してみる。
「うっわぁ……気持ちわる…」
「終わった?」
「あ、うん。もう目開けていいよー」
あまりにも自分の性格とかけ離れている姿に自分でドン引きしてしまった。
柚夢が目を開けて、鏡越しで目が合った。
「…っ……」
数秒、そのまま表情も身体も固まった柚夢。
「柚夢?」
鏡越しのまま恐る恐る名前を呼んで首を傾げてみると、柚夢の色白な肌に火がついたように顔が真っ赤になっていく。
あまりにも顔が赤いから驚いて振り返ると、バッと目の前に突き出された掌。
「え、なに?」
「ダメ!今こっち見ないで!こっち来ないで!」
「何で?」
「何でも!そのくらい察しなさいこのバカ!」
「……はい」
よく分かんないけど本気で嫌がっているようだったから、私はもう一度鏡のほうに身体を向けた。
「……ダメだ、早くしないと本当にヤバイ」
何やらひとり言をぶつぶつと言っている柚夢に、本気で頭がおかしくなったのかと心配になってきた。
「柚夢?私はこの後どうすればいいの?」
「えっ!?あ、あぁ……ヘアアレンジしないと」
ようやく顔を覆っていた手を降ろして、柚夢の顔を鏡越しに見ることができた。
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