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「………あんた、マジで大丈夫?」
文化祭の振り替え休日も終わった、連休明けの火曜日。
もっと詳しく言うならば、7人の前でバカみたいに気持ち悪いコスプレをさせられてから2日後。
一大行事の文化祭が終わってしまえば、机に向かう元の日常が迎えに来た。
「で、野獣たちの反応はどうだったわけよ?」
「聞かないでくれません?」
「空雅に写メ見せてもらったけど、文化祭のときよりずっとすごかったわ」
「はぁ!?あいつ、何してくれちゃってんの!?」
「しっかり保存したから安心しなさい」
「いやいや、余計に不安しか残らないんだけど」
迷子の子ネコちゃんの姿でリビングに入ったときのあいつらの顔は一生忘れられない。
その後もセーラー服とライオンの着ぐるみを着せられて、精神的ダメージをかなりくらった私。
だってカシャカシャっていう音がリビング中に響いて、一向に止まなかったんですもの。
「何かあったら、あの写メをネタに脅されそうでこの先怖いんですけど」
「いやー……あれは傑作だったね。あんた、朝もずっと囲まれてたし相当、疲れが溜まってるでしょ」
「朝も本当にすごかったなぁ。見たくもない自分の写メ見せられて、待ち受けにしたとかいらない情報まで聞かされてさ」
「しばらくはこの話題で付きまとわられるだろうね。ご愁傷様ですねー会長様」
親友の不幸を全く労わらない愛花と珍しく屋上で過ごす、昼休みのことだった。
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