第8恋

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期末試験も無事に終わり、いつも通りの結果が出たその日のHR。 男子バスケ部の顧問として、県大会へ向けてのやる気のせいなのか、さっぱりと髪が短くなった風舞先生。 いつも通り、教壇に立って口を開いた。 「今日、期末試験の結果が配られたな。その結果をもとに、夏休み中にもう一度三者面談を行う。まだ進路が決まっていない人はその時に必ず決めるから、考えておくように」 げっ……進路とか、全然決めていないんだけど。 これでも一応生徒会長だし、しっかりしないといけないことだっていうのは分かってる。 だけど大学に行く気もないし、今は音楽以外にやりたいこととかないし。 だけど、音楽を仕事にすることはしたくないし。 「それと、神崎悠。HRが終わったら職員室に来るように」 ……最悪、だ。 以上、と言葉を切って教室を出て行った風舞先生の後ろ姿を恨めしく思いながら。 期末試験の結果に気を落としている人や、いよいよ現実逃避が出来なくなったことに嘆いている人を横目に立ち上がった。 「……悠!」 「あ、陽斗。部活、頑張ってね」 「おう、ありがと!悠は進路、どうするの?」 「ん~実はまだ決まってないんだよね。そういう陽斗は?」 「お、俺は……バスケをしたいから体育大学かな。県大会で実績残したいんだ」 「そうなんだ。すごいなぁ」 「……悠も運動神経すごくいいし、体育大学に入ったら何でもできるんじゃない?」 「あはは、それはないよ。じゃ、そろそろ行くね」 「あ、うん…!またね!」 体育大学だけはないな、とぼんやり考えながら職員室へと向かった。 .
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