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言葉がここにある限り、下らなさもやってくる。
「神崎、もっと自分の可能性を考えてみたらどうだ?まだ本格的にやりたいことがないなら、大学で見つけることもできる」
だけれども沁み込んでいく言葉なんて、もうどこにも残っていないんだろう。
「お前の入学を心から望んでいる人が大勢いる。たくさんの人がお前に期待をしている」
少なくとも、ここにはない。
「最初から決めつけないで、もう少しいろいろ知ってみるといい。夏休み中にオープンキャンパスに行ってみるだけでもいい。何かを感じるかもしれない」
つまらない言葉だらけで、私の心はささくれだらけになっていく。
“能力”“期待”“可能性”
私にはそんなもの、いらない。
私が欲しいんじゃなくて、私を利用して誰かが欲しいものを得たいだけ。
私の気持ちを優先することなんて、絶対にない。
確かに物事は違った側面から、またはいろんな角度から考えたらいいのかもしれない。
そうすれば、真っ二つになったその新鮮な果肉を味わえるのかもしれない。
レモンの輪切りを、リンゴの輪切りを味わえる。
外側を見て、思ったり考えることよりも。
でも私に期待している人たちは私の外側しか見ていないから。
私に変な期待や願望を押し付けるのは、やめてほしい。
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