第1恋

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全員が揃ったリビングには、げんなりとした顔の煌と黒いオーラ全開の築茂がいることなど、誰も気にしない。 「頂きまーす」 煌をげんなりとさせた原因の1人である空雅は何事もなかったかのように、ご飯にがっつく。 全く、相変わらずよく食べること。 「うわー、また総理大臣変わるんだ。日本も落ちこぼれたね」 「将来の子供たちは社会の授業で名前覚えるの、大変だろうなぁ」 テレビをつけた柚夢が言っていることに、私も同意。 「なぁ、総理大臣になったら何する?」 「そりゃ、貧しい人を助けるよ」 「うっわ、日向いい人すぎる!」 「そういう空雅は?」 「うまいもん食べる!!」 うん、だろうね。 「ぶははっ!僕はねー、悠をファーストレディにするかな」 「は、はぁ!?お前ばっかじゃねぇの!」 「何だよ大和、そんなに羨ましい?」 「ちげーわボケ!」 ちょっとちょっと、お箸でつつくなんて行儀が悪いんですけど。 「煌はどうするの?」 「んー?俺はねぇ……とりあえず平和な国ならそれでいいや」 「はっ、生ぬるいことを」 「築茂はどうするのさ?」 煌に尋ねると、何とも言えないのほほんとした回答。 素早く築茂の鋭い言葉が飛んできた。 「俺なら、3400円札や7800円札など微妙な紙幣を刷りまくって使いこなせないバカを淘汰する」 「………」 しれっと言い放った築茂に全員から軽蔑の眼差しが送られています。 それを跳ね返した築茂選手は言葉選手権で見事優勝です! 「……ゆ、悠は?」 「私ー?そうだなぁ…」 苦笑して雰囲気を変えようとした日向に、私は天井を見上げながら考えた。 「私が総理大臣になったら……」 .
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